ワクチンの保存剤と接種時期について
昨今新聞紙上やテレビニュース等で、「予防注射のワクチン内に保存料として水銀が使われている 」との報道があり、これを乳幼児に接種した場合、脳に影響を及ぼし、「自閉症の原因になる 」とも報道されました。
このため、これからお子様に予防接種を行わなければならない親御様としては御危惧なされているものと存じます。
基本的に保存料として使われている水銀(チメロサール)は、体内での分解・排泄が非常に早く、微量であれば全く問題ありません。
また、水銀と自閉症の相関関係に関しても、以前海外(アメリカ)の学会で研究発表されたという段階であり、まだまだデータも不十分な状態であると考えられます。
しかしながら、大事なお子様に予防接種をしなければならない親御様や、妊婦さん。あるいは妊娠希望のある女性の皆さまに於かれましては、「少しでも危険性があるのであれば接種したくない」と言うのが本音でしょう。
そこで当院では、特に妊婦さんや妊娠希望の女性及び、2回接種が必要なお子様に関しては、チメロサールが含まれていないものをお勧めしております。
ただし、3才未満のお子様はワクチンの製造上保存剤抜きワクチンをご用意することができません。
併せてインフルエンザ予防接種の接種時期及び、接種間隔についてのご質問もよくいただきます。
まず大前提として、インフルエンザの予防接種で得られた抗体は最短で約4か月間(概ね約5か月間)は持続しており、仮に10月にご接種いただいたとしても大体3月ごろまでは抗体が効いている状態である と考えられます。
逆にインフルエンザ予防接種をした後に一時的に免疫が下がる時期があるため、感染症が多くある時期にはリスクが高いということも留意しなければなりません。
つまり、12月、1月はそろそろ風邪が流行ってくる時期であるため、そういった意味ではリスクが高いのかもしれません。
接種間隔に関しては、1回目の予防接種を行った後、約1週間で抗体価が上がり始め、2週間でピークに達します。
ところがお子様の場合はここから4週目にかけて徐々に抗体価が下がってくるという現象が起こります。
そこでこの時期に合わせてもう一度追加免疫(予防接種)を行うことによって、ブースター効果という、よりしっかりした免疫を作る効果を期待します。
だから、「2回目の予防接種は3週から4週間あけて接種しましょう 」と指導されるわけです。
皆様が元気に冬を越せるようにお手伝いさせていただくべく、スタッフ一丸となって応援させていただきます。
最後までお目通しいただき、ありがとうございました。
葛が谷つばさクリニック 院長 長田 展明 拝
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