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医療の豆知識

今後も定期的に更新して行きたいと考えておりますので皆様の興味のある事をメールでお知らせ下さい。
ご希望の多いものを取り上げてさせていただきます。

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)って何?

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は胃の中に住む、らせん状の微生物です。右の写真のようにひげのような部分(べん毛)があり、これをまるでヘリコプターのようにくるくる回して移動するため、「ヘリコバクター」と名前がつきました。(うそみたいな本当の話)
最近の研究で、この微生物が胃炎や胃潰瘍、さらには胃がんの原因菌ではないかと考えられるようになりました。
この菌はすべての人の胃の中にいるわけではありませんが、40歳以上の人では70~80%の人がピロリ菌に感染していると言われています。
ピロリ菌の検出方法は、内視鏡検査でも行えますが、呼気(吐く息)を使った簡単な検査で発見が可能です。また、抗生剤を使った除菌治療も可能です。
ご興味がおありでしたら、一度医師や薬剤師に御相談ください。

胃腸炎と胃ガンの関係

[1]胃は、食べ物の中のたんぱく質(お肉)を主に消化する重要な消化器官です。胃の中には「胃酸」という消化酵素が入っており、これがたんぱく質を消化します。
ところが「胃」自体もたんぱく質(焼肉屋さんにもありますよね)なので、本来これも胃酸によって消化されて(溶かされて)しまいます。それではなぜ胃の壁は消化されないのでしょうか。

[2]胃の壁からは粘膜保護因子という粘液が出ています。これが胃の壁を保護し、溶けないようにしています。つまり、この場合攻撃因子(胃酸)と防御因子(粘液)が絶妙のバランスをとることにより、胃の壁が溶けないで、なおかつ消化もしっかり出来るだけの消化液を出しているというわけです。
ところがこのバランスが何らかの原因によってくるってしまうことがあります。一番有名なのはストレスによるものですが、他にも喫煙や、飲酒。あるいは最近話題になっているダイオキシンなども原因になることがあります。また、新しい研究で「ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)」も関与していることが言われています。
この攻撃因子と防御因子のアンバランスが原因で胃壁が溶けてしまう度合いによって、少しだけ溶けてしまったという表層性胃炎から、たくさん溶けてしまった胃潰瘍。さらには血管まで溶けてしまった出血性胃潰瘍までいろいろな疾患に変化します。

[3]さて胃炎や胃潰瘍は徐々に治ってくるわけですが、この治り方が問題になります。
最近の研究で、壊れてしまい、本来ならば死んでいくはずの細胞が「遺伝子レベルで間違った治り方をしてしまうことがある」ということがわかってきました。この間違え方の度合いによって、その病変がただ膨らんで治ってしまった「ポリープ」と呼ばれたり、悪性の細胞でどんどん転移していってしまう「癌」と呼ばれたりするわけです。当然これは確率論のお話になってくるので、正常に治る確率のほうが悪性化する確立よりはるかに高いわけです。ただ、これはパチンコのフィーバーと一緒で、100円しかやっていない人でもフィーバーすることはあるし、逆に30万円使ってもフィーバーしない残念な人もいます。しかしこの場合は皆さんに、「100円しか使っていない人と、30万円使った人とどちらがフィーバーし易いですか?」と質問されているのと同じなのです。つまり、当然何度も胃炎や胃潰瘍になっているのにも関わらず、ずっと放置していれば、どんどん癌になる確率が増えてくるというわけです。逆に癌を予防する最大の方法は、胃炎や胃潰瘍になったらきっちり精密検査をして、組織を調べ、問題ないとわかったら今度はきっちり治してあげる。ということが大切なのです。また、たとえ胃が痛いなどの症状がなくても胃炎が存在していることもあります。実はこの場合が一番厄介で、「発見されたときにはすでに進行していた」というのはこういった場合に起こる現象なのです。

[4]内視鏡検査も最近は医療技術の進歩から、非常に簡単に、且つ苦しくなく検査ができるようになりました。どんな病気でも早期発見・早期治療が良いというのは皆さんご存知のことと思います。これは胃病変でも当然同じことが言えます。思い立ったが吉日です。早速胃の検査をしてみてはいかがですか

慢性肝炎って何?

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、炎症を起こしたり機能が低下したりしても、症状が出にくい臓器です。このため、慢性肝炎になっても、かなり症状が進まない限り自覚症状がなく、血液検査等で初めて発見されることが多いのです。
肝炎の原因にはいろいろなものがありますが、特にウイルス性肝炎と呼ばれるB型肝炎やC型肝炎は、重症化し慢性肝炎から肝硬変、最悪の場合肝細胞がんまで移行してしまう可能性が高い、非常に怖い病気です.
初期症状としては、体がだるい、足がむくむ、こむら返り(足がつる)等の症状がでることが多いため、これらの症状がある方は一度検査をお勧めします。
今までの肝庇護(ひご)療法と呼ばれる、薬を使って肝臓を保護してあげる治療法のほかに、最近ではインターフェロン療法という治療法も行われています。これらの治療及び、定期的な検査の継続により、肝硬変から肝細胞がんに移行する確立をかなり減らすことが出来ます。


花粉症のお話

花粉症寒い季節が終わってやっと過ごしやすい季節がやってきたかと思いきや、今度は「鼻水が出る」「目がかゆい」と言った、ゆううつでいやな季節がやってくる。そんな方は多くないですか?実は何を隠そう、僕もかなりの「花粉症持ち」で、この季節になると「目を取り出して洗いたい!」と思ってしまうほどです(笑)。そんな皆様のために、今回は花粉症のお話とともに、花粉症に対する薬物療法や、最新の注射による花粉症予防法についてのお話をしたいと思います。



花粉症とは、花粉を原因物質とするアレルギー症状の総称です。これは近年になり増加の一途をたどっており、ある統計では全人口の15%を超えるとも推定されています。
代表的な症状としては、くしゃみ鼻水鼻づまり目のかゆみといった四大症状であり、持続的な喀咳(せき)や、顔面皮フ症状などを伴うこともあります。人によっては「のどが痛い」と言った症状も伴うことから、風邪(上気道炎)と間違える人もいます。
アレルギー性鼻炎や、アレルギー性結膜炎、アレルギー性皮膚炎とも呼ばれることがありますが、狭義(狭い意味)での花粉症との最大の違いは、「季節性があるかないか」ではないかと思います。
この疾患の地域性特性として本州、四国、九州ではスギ、ヒノキ科、イネ科、ブタクサ属などが主であり、北海道や本州の一部ではカバノキ科も重要花粉です。リンゴなどの果実による口腔アレルギー症候群(OAS: oral allergy syndrome)がカバノキ科花粉症で注目されています。
実はこの病気、粘膜の障害が原因で起こるため、弱った粘膜にばい菌がついて、本当に風邪(上気道炎)症状も併発することがあります。このため、意外に重症化することもあり、注意が必要です。
この疾患を完治させる有効な治療法は現在のところありませんが、「鼻アレルギー診療ガイドライン-通年性鼻炎と花粉症-改定第3版1999年」では、治療法は[1]患者とのコミュニケーション[2]花粉除去[3]薬物療法[4]特異的免疫療法[5]手術療法に分けられており、中でも薬物療法が治療の主体となっています。
これらの症状はI型アレルギー性疾患が主であり、ヒスタミンと言う刺激物質が原因と考えられています。このため、ヒスタミンを抑える薬(抗ヒスタミン剤)が有効ですが、ロイコトリエンという物質を抑える薬や、重症の場合にはステロイドによる治療も有効とされています。
また、最近になり、免疫グロブリン製剤の注射を継続することにより、かなり有効な予防効果が得られるとして注目されています。人によっては、この注射で薬を飲まなくても花粉症が発症しないこともあるとの報告もあります。(実は僕もこの注射を試してみましたが、かなり有効でした。)
皆さんも有効な花粉症対策をして、快適な春の生活を送りましょう。


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